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腐よろず雑記。 感想やラクガキ・小ネタを投下してます。 ZEXALが無事最終回を迎えましたが相変わらずカイト受けを欲しています!!切実!!
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漫画ごっずでジャックの誕生日が出たと聞いて。
そして1/11日に間に合う……!となって短めな誕生日ネタをば。

+++

サテライト時代。
遊星とジャック。

短めですが間に合って良かった(´∀`)

+++

■王の生まれた日


「ジャック、誕生日おめでとう」
1月11日がジャックの誕生日なのだと知って、正直俺は焦っていた。
物資の乏しいサテライトではジャックの満足するようなプレゼントを用意することは難しい。
それでも時間さえあれば、なんとか工面することも可能だっただろう。
しかし遊星がそのことをジャックの口から聞いたのはつい先程のことである。
言葉以外の何かを用意出来るような時間は到底無かった。
俺は少しばかりの不甲斐なさを抱えながら、それでも目の前のジャックに祝いの言葉を贈ったのだ。
だが、ジャックはそんな俺にちらりと冷めた視線を寄こすだけで、仕方なしに返してきたのは「あぁ」という一言だけだった。
やはり手ぶらで誕生日を祝われたとしてもジャックの胸には響かなかったのだろうか。
そう落胆を見せる遊星の内心に気づいた筈もなく、ぽつり、とジャックは言葉を続けた。
「誕生日だからと……それが何だと言うのだ。子供でもあるまいし、今更どうとも思わんわ」
どうやらジャックが気分を害したのは、遊星が何のプレゼントも用意していなかったせいではないらしい。
つまらなさそうにソファに肩肘をつきながらジャックは静かに紫色の瞳を伏せた。
対してジャックに軽くあしらわれた俺はと言うと、ジャックの言葉を前に信じられないと驚くばかりである。
「それは違うぞ、ジャック!」
「何?」
音を立てて立ち上がった遊星の様子にジャックはソファに腰掛けたまま軽く目を瞠った。
突然何の前触れもなく隣に座っていた人間が立ち上がれば何事かと見上げるのが通常の反応だろう。
遊星が珍しくジャックの顔を上から見下ろすと、当の本人は珍しく鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして、大きなアメジストの瞳を更に瞠っていた。
俺はぐっと拳を握る。
「ジャックの17歳の誕生日は一生に一度しか訪れない。確かに、誕生日は来年も来る。……けれど、17歳の誕生日は今日を逃したら二度と来ないんだ。そんな大切な日を祝わないなんて、俺には出来ない」
思いの丈をひとしきりまくし立てると、少しだけ胸の内が晴れやかになった気がした。
その間ずっと遊星に見下され続けていたジャックは、普段の口下手な遊星からは想像もつかないほど口達者になった遊星の異様とも呼べる様子に唖然とするしかないのだろう。
対する遊星とは打って変わってむっすりと口を噤んだまま、ふいと遊星の大きな瞳から目をそらした。
「フン……勝手にしろ」
おもむろに腕を組んだままそれっきり、ジャックは口をへの字に尖らせてそっぽを向いてしまった。
そんなジャックの様子に、遊星はジャックに気付かれぬようふっと微笑を浮かべる。
「おめでとう、ジャック」
「……あぁ」
一呼吸置いて相槌を打ったジャックの溜息にも似た返事に、遊星はもう一度嬉しそうに口端を緩めた。
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