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腐よろず雑記。 感想やラクガキ・小ネタを投下してます。 ZEXALが無事最終回を迎えましたが相変わらずカイト受けを欲しています!!切実!!
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お題はお世話になっております Discolo 様 から。
選択式お題内『ドッペルゲンガー・デート』というお題をお借りしました。
88*31

+++

軽く説明をば。
Vカイ前提
既に二人は別れてます。

Vさんは会話の内容にしか出て来ませんので喋りません。

短めですがよろしければどうぞ ><

+++


■ドッペルゲンガー・デート




兄さん、と声を掛けられてカイトはモニタを凝視していた視線を入り口へと向ける。
「おかえり、ハルト」
姿を確かめるまでもない。
カイトが振り返るとハルトはその小さな体に余る大きな荷物を一生懸命に抱きかかえて、転ばぬよう足元を確かめながら、カイトの側へその荷物を下ろした。
「ただいま」
ハルトの持っていた荷物は主に食料品だった。
単純な買い物くらいわざわざ足を運ばなくともオービタルを使いに出しても良かったのだが、部屋に缶詰な父を連れ出す口実にするからとハルトに言い含められカイトもそれに頷いたのは数時間前のことだっただろうか。
久しぶりに父と買い物に行けて、まず誰よりもハルトが気分転換になったのだろう。
ハルトの満足そうな表情を前にカイトも顔を綻ばせる。
「そうだ、兄さん。さっきね、びっくりする人に会ったんだよ」
「へぇ……兄さんも知ってる人か?」
「うん」
幾分勿体つけるようなハルトの言葉に、カイトも興味をそそられる。
確か今日は日曜日、世間では休日だろう。
学校も休みだ。
もしかすると九十九遊馬だろうかと予想を立てたカイトに、しかしハルトは意外な人物の名を告げた。
「クリスがいたんだ」
ハルトの言葉に、カイトの肩が跳ねる。
「……そうか…戻ってたんだな、ハートランドに……」
ハルトの何気ない一言にたどたどしく答えてしまったのも仕方がないことだろう。
カイトは一人冷静さを取り戻すように、無機質なPCの画面を見つめた。
クリスとは友人であり、そしてそれ以上の関係でもあった。
あった、というのは既に終わったことだからである。
クリスに別れを切り出されたのは、一ヶ月ほど前のことだろうか。
恋人だったことも、別れたこともハルトは知っていた筈だが、ハルトに悪気はない。
カイトがクリスのことを知りたがっていると思ったのだろうし、もしかするとカイト自身が知らずそんな態度を取っていたのかもしれない。
それでねと、ハルトが続ける。
「デートしてるみたいだった」
見たままを伝えた言葉に、今度こそカイトは絶句した。
「楽しそうだったよ。……兄さんと別れたばかりなのに」
「いや……いいんだ。元気そうで安心したよ」
何とか絞り出した言葉は、自分自身でも笑ってしまうくらいのつよがりだった。
ハルトがカイトの顔をじっと見つめている。
何となく気まずくて、けれどハルトにもう聞きたくないと言える筈もなくてカイトは曖昧に返事をした。
そんなカイトを見上げたまま、ハルトは椅子に座り宙に浮いたままの足を揺らす。
「二人で並んで、まるで恋人同士みたいで、……とても幸せそうだった」
「……声を掛けたのか?」
カイトとクリスが別れたと言っても、それはハルトには関係のないことだ。
今でもハルトはクリスを慕っているだろうし、クリスもハルトへの態度を変えることはしないだろう。
しかしハルトはカイトの問いに小さく首を振った。
「ううん。父さんと一緒だったし……それに、邪魔しちゃ悪いと思って」
「そうだな」
当然…と言えば、当然だった。
仮にハルトがクリスと話したからと言って、何を尋ねるつもりだったのか。
クリスならば、以前と変わらず友人のまま接してくれるような気もしたが、カイトの方はと言うとそんなことは到底出来そうもない。
親しげに元気かどうか気にされたところで、余計に苦しくなるだけだ。
「兄さんの方は?何か進展あった?」
単純にクリスを見たことを報告しただけなのだろう。
ハルトはカイトのPC画面を覗き込みながら興味深そうに尋ねて来た。
「いいや。お前と父さんが買い物に行っている間もオービタルと調べていたが、相変わらずだな」
「ふーん。大変なんだね」
ハルトは本当なら親子3人で出かけたかったのだろうが、カイトはどうしてもそんな気分になれずハルトの誘いを断った。
にも関わらず何の成果も上げられなかったことにカイトは少しだけ罪悪感を覚える。
「それでね、クリスと一緒にいた人なんだけど」
再びクリスの話を始めたハルトに、カイトは聞きたくないとは言えなかった。
気にならないと言えば嘘になる。
促すわけでも否定するわけでもなくカイトは黙って少しでも気を紛らわせるためにPCのキーを叩く。
カタカタと鳴るキーの打音を聞きながら、ハルトが言った。
「その相手って、兄さんだったんだ」
「え……」
聞き返そうとしたカイトの声を遮るように、ハルトの持つ端末が電子音を奏でた。
ハルトはポケットに入れていた端末から聞こえてきた父の声に返事をし、机に置いた荷物を危なげなく抱え上げる。
「父さんが呼んでるから、僕行くね」
ハルトはそう言って、何事もなかったかのように部屋を後にした。
いつの間にかキーを打つ手がぴたりと止まっていることに気づいたカイトは、呆然とモニタに映る自分を見つめた。
きっと、心臓が止まりそうになるというのは、こんな時に使うのだろう。






+++



解説という名の言い訳タイム\(^o^)/
タイトルがドッペルってネタバレしてるのでどうしようかなーと悩んでたんですけれども。
タイトルを文章の後に出すってのも出来たけど、サイトに乗せる時には見えちゃうので困りましたwww.
たぶんそういう期待を裏切る内容を求められていたのでしょうが、難しいですね。
結局タイトルバレな内容にしかなってなかったら申し訳ないです。力不足ぅ(´;ω;`)
結論を言えばハルトはカイトのドッペルゲンガーを目撃したと言うことです。
後日談とかでクリスに連絡を取ってその時にクリスが身に覚えがないって言えば二人ともドッペル妄想デートだったって落ちになったんですがちょっとやめたwww
もうお前ら別れるなよというw
クリスは別れを切り出したものの、街でたまたまカイトの姿を見つけてよりを戻そうと話しかけたとか。軽くホラーw

こんな所まで読んでいただきありがとうございました><
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