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腐よろず雑記。 感想やラクガキ・小ネタを投下してます。 ZEXALが無事最終回を迎えましたが相変わらずカイト受けを欲しています!!切実!!
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お題は Discolo 様 から。
『されどキス』というお題をお借りしました。
88*31

先日の「たかがキス」の後日談ぽいのです。
誰得ハトカイ(;´Д`)

+++
■されどキス



あれから一週間が経った。
あれから……というのは、Mr.ハートランドとのことがあってからということだ。
思い出したいわけでも覚えていたいわけでもないのに、あの時の感触が今も鮮明に残っている。
その不快さを一時でも忘れたいとばかりに、カイトはぎりりと唇を噛み締めた。
「カイト様、如何サレマシタ?」
後ろをついて歩いていたオービタル7が心配そうに声を掛けるも、今のカイトには煩わしくて仕方がない。
噛み締めた唇と不愉快そうに顰められた眉から、カイトの放つ雰囲気はいつも以上に刺々しいものであったが、生憎空気を読むことを知らぬロボットだ。カイトは振り返りもせず吐き捨てた。
「お前には関係ない」
大げさなほど肩を落としたオービタルを横目に、ちくりとした罪悪感が胸を指す。
これが八つ当たりでしかないことは分かっていたが、このロボットに言ったところで状況が変わるわけではない以上、知る必要のないことだ。
状況を変えることも出来ないくせに首を突っ込もうとするコイツが悪いのだと言い聞かせて、カイトは早々に自室へと足を向けた。
「おや……帰っていたのだね」
背後からの声に、踏み出しかけた足がピタリと止まる。
今最も耳にしたくない声に呼び止められ、カイトは背を向けたまま苦々しげに舌打ちした。
ナンバーズ使いが都合よく現れるはずもなく、オービタルがナンバーズの反応を感知しない日はカイトが男に合うこともない。
さして広すぎる建物ではないが、市長としての公務で多忙を極める男と毎日顔を合わせる必要性の無いカイトがこうして男の声を聞くのは久しかった。
「……今日はこちらにいらしたんですね」
「間もなく開催されるWDCに向けて、私も準備を怠るわけには行かないからね」
通路の壁はガラス面になっており、眼下のハートランドシティが一望出来る。
男は感慨深そうに景色へ目を向けながら、そう言えば、とカイトを見下ろした。
「ここのところ予定が立て込んでいたせいか、君の顔を見るのも実に久し振りに思えるよ」
男の踏みするような視線にカイトは居心地の悪さを感じ目を逸らす。
カイトの反応に眼鏡の奥を細めながら、男は物思いに耽るかのように顎へと手を掛けた。
「ところでカイト。私を避けていないかい?」
態とらしく腰を屈めてカイトの顔を覗きこんだ男の顔を、カイトは至極冷静な面持ちで見上げた。
緊張に滲んだ汗がひやりと背中を伝ったが、全身の不快感を押し殺したカイトは眉すら動かさず、ただ静かに男へ問を返す。
「何故そんなことを?」
「いや何。もちろん君も私も多忙な身だ。擦れ違わない日も珍しくはないだろう。けれど、君が私と顔を合わせづらいと感じていないかと気がかりでね」
「あんなもの、ただの挨拶と言ったのは貴方だ」
男の真意がどうであれ、カイトにとってあれは挨拶でしかない。
例え男にそれ以上の含みがあったとしても、それを意識するより割り切った方が面倒がないと思ったのだ。
どうせハルトの治療のために彼らの命令を聞かねばならない立場は変わらない。
それならば、そこにカイト自身の感情を持ち込まない方が割り切れる。
そんなことを話していたせいか再びあの感覚が唇に蘇って来た。
男との無駄話にこれ以上花を咲かせる気もなく、カイトは一刻も早く男の目の前から立ち去りたい一心で苛立ちを募らせる。
「もう良いですか。俺は大丈夫ですから」
「そうか……君がそう思っているのなら安心したよ。だがカイト。これだけは覚えておいてくれ」
男は不意にカイトの手を取り徐に引き寄せたかと思うと、その薄い唇をカイトの手の甲に押し付け言った。
「挨拶と言えどキスには違いないのだから、私以外の人間にすることも、されることも許さないよ」
底知れぬ黒い瞳に背筋が凍る。
無表情なその眼鏡の奥の狂気に心臓を捕まれ脅されている気分だ。
拒絶の意志すら許さぬその空気にカイトは頷くしかない。
何事もなかったかのようにカイトの手を離し、男はくつくつと笑いながら続けた。
「それと、折角の唇をそんなに噛み締めるものじゃないよ。労わり給え」
「……ッ」
カイトの動揺を知ってか知らずか、男は意味深げに口端を歪めると、次の瞬間には踵を返し靴音を響かせながら通路の先へと消えて行った。
残されたカイトは男の背を忌々しげに睨みながら、暫くその場で立ち尽くす。
二人きりになった為か、それまで大人しく黙りこくっていたオービタルが恐る恐るカイトを見上げて来た。
「カイト様……」
「黙っていろ」
言い淀むくらいなら最初から黙っていればいいのに、何て学習能力のない奴だ。
俯いてしまったオービタルを置き去りに、カイトは当初の予定通り足早にその場を後にした。



+++

リハビリにしても酷い/(^o^)\
オービタルの扱いが酷くて申し訳ないです。オービタルってロボット…?オボット?何だ??(´・ω・`)
なんかよくわからないけどクソメガネに恐怖してるカイトきゅんが好きです。
目の前で舌打ちとかしちゃう子ですがwwwですよねwwwwww
あああああキモイ!我ながらキモイです!だがキモくないハートランドもキモイしキモイハートランドはよりいっそうキモイしなにこの無限ループ:(;゙゚'ω゚'):
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