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昨日携帯でポチポチ打った小説をうp。
完全パラレルですのでご注意をば。
そんなに長くないですが一応続きがあるので一区切りついたところで随時うpして行こうかと思ってます予定は未定。
稲荷だとか細かい設定についてはもう二次元の萌えということでよろ!
辻褄合わせるのめんどくさくなったのは内緒です。
「神頼みなんてしてる時点で色々と問題があるかなあ」
初詣以外で滅多に訪れることのない近所の寂れた神社でこうして手を合わせている姿がなんだか情けない。
幸い自分以外に境内には人影もなく、風馬はもう一度ぱんと手を合わせた。
お参りを済ませ軽く踵を返したところでパラパラと雨粒が肩を叩く。
天気はお世辞にも良いとは言えない曇天で、万が一のために傘を持って来ていて助かった。
蝙蝠傘を勢い良く開いて掲げれば張った布を雨粒が叩く音が随分と小気味よい。
深い木々に覆われた神社にいるから余計にそう感じるのだろうと閑散とした境内を見渡すと、視界の隅に何かを捉えた。
初夏に向かう青々とした草木の影に、金色の何かが横たわっている。
体毛のように見えたそれがやはり動物のものだと認め、風馬はあまり大きな音を出さぬようこっそりと近づいてみた。
「…狐?」
狐の特徴的な耳や大きな尻尾は間違えようがない。
ただ実際に野生の狐を見たことのなかった風馬には俄かに信じがたい光景であったのだ。
そう言えばここは確か稲荷神社だったような…と考え込んでいると、横たわり眠っていたとばかり思っていた狐の体がブルブルと震えていることに気づく。
注意深く見ると、前足に傷を負いかなり弱っているようだった。
「大変だ、早く手当てを…」
ふと狐に伸ばした手が止まる。
野生の狐なら治療してまたここへ連れてくれば良いのだろうが、もしかしてどこかに飼い主がいたらどうしようか?
勝手に連れていくのはマズいかもしれない。
でもこんな雨の中で放ってはおけない。
完治したら飼い主を探せば良いじゃないか。よしそうしよう。
結論が出たところで風馬は衰弱している狐に手を触れてみた。
濡れそぼった毛並みに少し指先が触れたところで、びくりと狐の体が跳ね、同時に振り向いた狐の紫色の双眸とかち合った。
威嚇の鳴き声なのだろうか狐はキーッ!と甲高い唸り声でもって威嚇をしていたのだが、その珍しい紫水晶の瞳に魅入られてしまった風馬は狐の目って何色だったっけ?と見当違いな疑問を浮かべた。
そのまま少し見惚れていると、差し出したままの手の甲を鋭い爪で引っかかれてしまった。
「っ…!」
怪我をしている側を庇いながらも、弱い部分を見せぬよう隠そうとするその孤高な強さに風馬は手の甲に走った赤い線から血が垂れるのも忘れて感動した。
それと同時に酷い罪悪感に苛まれる。
こんなに小さな狐だって頑張っているのに俺と来たら、神頼みまでして何て情けないのだろうか。
苦笑し、そして尚威嚇を続ける小さな狐に、風馬は再び優しく手を差し伸べた。
「驚かせてごめんな。お前の怪我を治したいんだ。こんなところじゃ寒いだろう?俺のところに来ないか?」
毛を逆立て牙を剥き出し威嚇の体勢を崩さない狐に、風馬は暫く手を差し伸べ続けた。
やがて狐は唸り声を止め、くんくんと風馬の指先の匂いを嗅ぐと逆立てていた毛並みを戻し、すり寄ってきた。
「ありがとう。わかってくれたようで嬉しいよ」
狐を優しく抱き上げ、体温を下げないように自分のジャケットの胸元を開いて中へ誘うと、察したのか狐は小さな体を風馬の服の間に収めた。
「お前人間の言葉がわかってるみたいだな…って、そんなわけないか」
胸元からひょこっと顔だけ出した狐に風馬は笑いかける。
傘を叩く雨音は一層激しくなっていた。
犬や猫ならこんな時はミルクだろうけど、狐はミルクで大丈夫だろうかと頭を悩ませながら、風馬は本降りになって来た境内を背に冷たい石階段を下り始めた。
+++
(´∀`)
唸り声なんて聞いたことないよコンコン。
コンコン締まらねええええ_|\○_
シャーッ!とかにすべきだったのか?
完全パラレルですのでご注意をば。
そんなに長くないですが一応続きがあるので一区切りついたところで随時うpして行こうかと思ってます予定は未定。
稲荷だとか細かい設定についてはもう二次元の萌えということでよろ!
辻褄合わせるのめんどくさくなったのは内緒です。
「神頼みなんてしてる時点で色々と問題があるかなあ」
初詣以外で滅多に訪れることのない近所の寂れた神社でこうして手を合わせている姿がなんだか情けない。
幸い自分以外に境内には人影もなく、風馬はもう一度ぱんと手を合わせた。
お参りを済ませ軽く踵を返したところでパラパラと雨粒が肩を叩く。
天気はお世辞にも良いとは言えない曇天で、万が一のために傘を持って来ていて助かった。
蝙蝠傘を勢い良く開いて掲げれば張った布を雨粒が叩く音が随分と小気味よい。
深い木々に覆われた神社にいるから余計にそう感じるのだろうと閑散とした境内を見渡すと、視界の隅に何かを捉えた。
初夏に向かう青々とした草木の影に、金色の何かが横たわっている。
体毛のように見えたそれがやはり動物のものだと認め、風馬はあまり大きな音を出さぬようこっそりと近づいてみた。
「…狐?」
狐の特徴的な耳や大きな尻尾は間違えようがない。
ただ実際に野生の狐を見たことのなかった風馬には俄かに信じがたい光景であったのだ。
そう言えばここは確か稲荷神社だったような…と考え込んでいると、横たわり眠っていたとばかり思っていた狐の体がブルブルと震えていることに気づく。
注意深く見ると、前足に傷を負いかなり弱っているようだった。
「大変だ、早く手当てを…」
ふと狐に伸ばした手が止まる。
野生の狐なら治療してまたここへ連れてくれば良いのだろうが、もしかしてどこかに飼い主がいたらどうしようか?
勝手に連れていくのはマズいかもしれない。
でもこんな雨の中で放ってはおけない。
完治したら飼い主を探せば良いじゃないか。よしそうしよう。
結論が出たところで風馬は衰弱している狐に手を触れてみた。
濡れそぼった毛並みに少し指先が触れたところで、びくりと狐の体が跳ね、同時に振り向いた狐の紫色の双眸とかち合った。
威嚇の鳴き声なのだろうか狐はキーッ!と甲高い唸り声でもって威嚇をしていたのだが、その珍しい紫水晶の瞳に魅入られてしまった風馬は狐の目って何色だったっけ?と見当違いな疑問を浮かべた。
そのまま少し見惚れていると、差し出したままの手の甲を鋭い爪で引っかかれてしまった。
「っ…!」
怪我をしている側を庇いながらも、弱い部分を見せぬよう隠そうとするその孤高な強さに風馬は手の甲に走った赤い線から血が垂れるのも忘れて感動した。
それと同時に酷い罪悪感に苛まれる。
こんなに小さな狐だって頑張っているのに俺と来たら、神頼みまでして何て情けないのだろうか。
苦笑し、そして尚威嚇を続ける小さな狐に、風馬は再び優しく手を差し伸べた。
「驚かせてごめんな。お前の怪我を治したいんだ。こんなところじゃ寒いだろう?俺のところに来ないか?」
毛を逆立て牙を剥き出し威嚇の体勢を崩さない狐に、風馬は暫く手を差し伸べ続けた。
やがて狐は唸り声を止め、くんくんと風馬の指先の匂いを嗅ぐと逆立てていた毛並みを戻し、すり寄ってきた。
「ありがとう。わかってくれたようで嬉しいよ」
狐を優しく抱き上げ、体温を下げないように自分のジャケットの胸元を開いて中へ誘うと、察したのか狐は小さな体を風馬の服の間に収めた。
「お前人間の言葉がわかってるみたいだな…って、そんなわけないか」
胸元からひょこっと顔だけ出した狐に風馬は笑いかける。
傘を叩く雨音は一層激しくなっていた。
犬や猫ならこんな時はミルクだろうけど、狐はミルクで大丈夫だろうかと頭を悩ませながら、風馬は本降りになって来た境内を背に冷たい石階段を下り始めた。
+++
(´∀`)
唸り声なんて聞いたことないよコンコン。
コンコン締まらねええええ_|\○_
シャーッ!とかにすべきだったのか?
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