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腐よろず雑記。 感想やラクガキ・小ネタを投下してます。 ZEXALが無事最終回を迎えましたが相変わらずカイト受けを欲しています!!切実!!
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誰得完全自己満足ごっずパラレル設定な風馬とおきつねジャックの話です。
1話目が5/11の日記にありますが、まとまったら小説としてうpする予定です。

裏…に行くかなと思いましたがギリギリ大丈夫かなという感じなのでそのまま。
続きも考えてるのでまた打っていきたいと思います。
うpする時には推敲するかもしれません。
なんかやっつけですが、乱文でよければ(-´ω`-)シュン


濡れ鼠、ならぬ濡れ狐をまずは風呂場に連れて行き、傷口を洗い流すついでに体を洗ってやると、気持ちが良いのか小さな狐は僅かに喉を鳴らした。
水が平気なのか風呂場で暴れる様なこともなく、音と共に温風を吹き出すドライヤーを当てられてもその狐は怯える素振りすら見せなかった。
やはり誰かのペットでドライヤーに慣れているのだろうか?
ドライヤーでふんわりと仕上がった小麦のような美しい金色の毛並みからは、どこかしら気品のようなものが漂っている。
野良では無さそうだと確信めいたものを抱いたところで、とりあえず寝床を作ってやらねばと思い立った。
家中から掻き集めた毛布で作った簡素な寝床ではあったが、どうやらお気に召したようだ。
動物など飼っていない風馬の家には犬や猫……ましてや狐の餌などあるはずがない。
唯一思い当たる油揚げという最後の望みも、生憎寂しい冷蔵庫には存在しなかった。しかし、それも本物の狐相手に真実か俗説なのか怪しいものである。
せめて水分だけでもと、手近な皿に牛乳を注いで与えてみると、これも慣れているのか躊躇いも無く口をつけていた。
一通りのことが済んだところで狐の警戒心もほとんど消えたのだろう。重ねた毛布の上に伏せてじっと風馬を見つめている。
ようやく落ち着いた狐を驚かせないように、風馬はそっと救急箱を取りに立ちあがった。狐の紫色の澄んだ瞳がその背中をじっと眼で追いかける。
男の独り身では滅多に出番のない救急箱だったが、まさか狐に使うことになるなんて誰が想像出来ただろうか。
最低限のものしか入っていないこじんまりとした箱を片手に近づいて、再び薄らと血の滲んでいる前足を手に取ってみると、思っていたより傷は浅そうで風馬は安堵した。
「ちょっと沁みるかもしれないけど…」
意外にも狐は消毒液の匂いに顔を背けただけで終始大人しく、簡単に包帯を巻いてこれで一安心なはずだ。
「よし。良い子だったな。明日になったらちゃんと飼い主さんを見つけてやるからな。…えーと…首輪とかついてないよなぁ。名前がわかれば良いんだけど…」
顔を見合わせると再びあの紫色の瞳と目があった。
じっ、と見つめられるも、狐はふいと視線を外してふかふか毛布の中へ潜り込んでしまった。
何か言いたそうにも見えたがきっと気のせいだと頭をふって、後のことは明日にでも考えようと自分自身に言い聞かせると、風馬はパチリと部屋の明かりを落としたのだった。





未だ梅雨明け遠い水無月の夜。
連日降り続く雨によって空気は湿り気を帯び、蒸し暑く寝苦しい日が続いていた。
湿気が直接肌に纏わりつくような寝苦しさにうなされながら、風馬はぼんやりといつもと勝手の違う息苦しさを感じて眉根を寄せる。
「おい」
夢か現か。どちらともつかぬ微睡みの中で風馬は声を聞いた。
誰だろう、聞き覚えの無い声だった。
愛らしい少女のような…しかしどこか落ち着いた青年のような含みを持つ声音に微かに興味が湧く。
それでも夢現の曖昧な思考では覚醒まで至らなかったようで、風馬は少し身じろぎしただけで、またすぐに深い眠りの淵へと落ちてしまった。
一向に起きる気配のないその様子に、声の主がもう一度不機嫌そうに風馬を呼んだ。
「おい、貴様…名は何と言うのだ?」
おぼろげな意識ながらも名前を尋ねられたのだと気付き、生まれつき素直な性分である風馬は何の疑いも抱かず名を告げた。
声の主は風馬の反応に幾分驚いたものの、従順なその様子に気分を良くしたらしい。
「風馬…そうか。風馬というのか」
一人でぼそぼそと半濁した後、にやりと口端を釣り上げる。
そして悪戯を思いついた子供のようにくすくすと笑みを漏らした。
「良く聞け風馬。…そのままで構わん。今オレは故あって本来の力が出せんのだ」
もちろん風馬の意識がここには無いことを知っていての言葉だった。
風馬は先ほどから感じている違和感のせいで完全に意識を失っているわけではなかったが、それでも声の言っている意味を汲み取る程の思考はここには無い。
「…人助けついでに、少し協力してもらうぞ?」
ふわりと足元に空気が流れ込んできたことで、掛けていた布団を剥がれたのだと思った。
邪魔な布団を退けて風馬の身体に跨った声の主は、ごそごそと風馬のズボンに手を掛ける。
思いがけない刺激に風馬の身がびくりと強張ったのを眺めると、声の主はくすりと微笑んだ。
「安心しろ。……気持ち良くしてやる」
言い知れぬ熱さに浮かされながらも薄らと垣間見た先で、見覚えのある紫色の瞳が愉しそうに嬌笑を浮かべていた。
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