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今日も今日とてお世話になっております。
お借りしたお題は Discolo 様 から。
『さよならの嘘』というお題をお借りしました。

+++
タイトルから分かるようにまたまた別れネタです。
ゼアルの簡単な年表を妄想脳内補完したものにしたがって打ってます。
フェイカーが扉を開いたのが5年前。
クリスは2年間フェイカーの元に残っており、その間Vカイ修行時代。
2年後変わり果てた姿のバイロンがクリスの前に現れ、クリスはカイトの前から姿を消す。と。
つまりカイトと一緒にいた期間が2年という設定であります。(´・ω・`)
+++
父が消えてもう2年が経とうとしている。
一人この世の果てから生還したDr.フェイカーは彼の息子たちをこのハートランドへ招き、自らは研究室に篭って何事かを懸命に続けている。
暫くしてクリスはDr.フェイカーの息子の一人であるカイトと懇意になり、つい先程も彼にデュエルを教えてきたばかりだ。
夜もふけ各々自室へと帰ることになり、クリスは蓄積された疲労に軽く息を吐きだした。
「こんばんは」
「!?」
突然背後から声を掛けられ、クリスは背筋を凍らせる。
弾かれたように振り向いた先にいたのは、飴色の髪をした見たこともない子供であった。
「驚いた……一体いつ入ってきたんだい?」
全く気配に気づかなかった。
それどころか、いつ…それも、施錠された室内へどうやって入って来たのだろうかと思い至った瞬間、その少年はゆっくりと口を開いた。
「少し見ない間に背が伸びたようだね、クリス」
「……え……」
この少年は何故、自分の名前を知っているのか。
いや、そうではない。
まるで昔の自分を知っているとでも言いたげな口ぶりに、クリスは激しく動揺した。
「君…は…一体──」
「迎えに来たよ。……クリストファー」
「……っ!?」
姿形に見覚えはない。
ただその飴色の三つ編みと、蜂蜜色の瞳。そして何より少年の纏う雰囲気にクリスは懐かしさを覚えてしまったのだ。
そう、行方不明になってしまったはずの父、バイロン・アークライトに、目の前の少年の姿が重なって見えるのである。
「…父…様……?」
信じられないという思いで、しかし間違っているはずなどないという確信を乗せて呟いたクリスの言葉を聞いて、少年は口元に笑みを浮かべた。
自室で荷物を纏める。
鞄1つに収まる程度の荷物に荷造りは直ぐに済んだ。
いつの間にか外は土砂降りの雨が降り注いでいた。
どす黒い泥水のような夜空に時折白い稲光を走らせながら、大粒の雨が透明な窓ガラスを滴り落ちる。
父から全てを聞いたクリスはもうDr.フェイカーの元へいることなど耐えられなかった。
しかし、彼らの息子達と別れるのは正直、気が進まない。
フェイカーの所業はカイトたちがここへ来る前のことだ。
病気の弟と、それを甲斐甲斐しく世話するカイトのひたむきさはクリスの手放した弟達をどこか彷彿とさせた。
けれど、父の命令は絶対である。
何より父を裏切ったフェイカーを、クリスは許すことなど出来ない。
クリスの思惑がどうであれ、真意がどうであれ、いずれ訪れるであろうフェイカーへの復讐の際、天城兄弟と再会するのは避けては通れない道だろう。
荷物を纏め、コートを羽織り、クリスはハルトの部屋に立ち尽くしていた。
ハルトはよく眠っている。
クリスが彼ら兄弟と出会って数年が経つが、クリスはハルトとマトモに会話をしたことがない。
それでも、焦点の定まらない視線のハルトに健気に笑顔を向け続けるカイトの様子を見ていれば、彼の弟がどんな少年であったかなど想像するに易い。
父はDr.フェイカーに復讐するつもりだ。
その時、真っ先に標的になるのが彼の息子達であろう。
その瞬間にはハルトの自我は戻ってきているのだろうか。
ハルトの病気が治っていようといまいと、その瞬間が訪れた時、クリスは後悔しないだろう。
起きている時よりも安らかにすら見える寝顔に背を向けて、クリスは部屋を後にした。
もうここには戻ってこないだろう。
復讐が始まれば、また彼らと相まみえる。
クリスを師と仰ぐ無垢なカイトの顔を苦痛に歪めさせることになる。
いずれそうなるのだ。
何も今そうしなければならないというわけではない。
クリスはカイトの部屋へ足を向ける事なく、雨の降りしきる通りを進んだ。
傘など差す気にはなれない。弟達を迎えに行って、フェイカーへの復讐を始めなければならない。
父をあんな姿へ変えたこと、真実を語らず数年の間クリスを欺いていたこと。家族をバラバラにしたこと。
そして何より、父の信頼を踏みにじったフェイカーへ対する怒りや憎しみがクリスの顔を歪めるのだ。
ぎりと奥歯を噛み締めたクリスの歪んだ口端を雨粒が伝い落ちる。
雷雨の中、全身ずぶ濡れで歩くクリスの後から、ばしゃばしゃと水溜りを跳ねさせる音が聞こえた。
「クリス…ッ!」
自分を呼ぶ細い声にクリスは僅かに目を見張る。
どうして来てしまったのか。
クリスは苦痛に顔を歪めた。
不規則に息を切らせながらカイトが駆け寄ってくる。
ぐっとコートの裾を捕まれ、クリスは動きを止めた。
緩慢な動作で振り返ればカイトは呼吸を乱したまま、不安げに瞳を揺らしていた。
復讐を決めた今でも、カイトを思っているからこそ、何も告げずにいたのに。
大人しく雷雨に目を閉じていればこうしてまみえることもなかったのに。
しかし、カイトはクリスを追ってきてしまった。
カイトに何を言われた所でもうクリスは決めているのだ。
フェイカーのところには、カイトの元には戻ることが出来ないのだと。
そのカイトと、いつかまた相まみえる日が来ることをクリスは知っているからこそ、コートを掴んだ細く頼りない指先を、クリスは強く振り払った。
予想だにしなかった衝撃にカイトの華奢な体は軽々と吹き飛ばされ、背後の水溜りにばしゃりと尻餅をつく。
「……ク、リス……?」
何が起こったのか分かっていないのだろう。
こんな酷い仕打ちをされても、カイトはあくまで豹変したクリスを心配そうに見上げていた。
その表情にクリスの胸が痛む。
この優しい少年をフェイカーへの復讐のために傷つける日が来るのだ。
それは避けられない未来である。
ならば、少年を傷つけるのは早いほうが良い。
近い将来、クリスは自分を慕うこの少年の心を大いに傷つけるであろう。
それは決して自惚れではない。
カイトと過ごした2年の歳月が裏付けており、何より、今こうしている間にもクリスはカイトを拒絶したことに胸を痛めているのだから。
傷つくのなら早いほうが良い。
時がカイトの傷を癒し、彼を強くするだろう。
私に受けた傷など気にもとめなくなる程、彼を成長させるだろう。
それが、Vがカイトにしてやれる最後の教えだった。
「カイト……君には失望した」
「…っ!?」
クリスの容赦無い刃物がカイトの心を抉るのが、その引き攣った表情から見て取れた。
「こんなところまで私に追い縋って来るとは……私はいつまで君の子守をしていなければならないんだ?」
カイトを引き裂くために研ぎ澄ました刃は、予想以上の切れ味でカイトの心を切り裂いている。
ことさら冷めた視線を作り、蒼白となったカイトの顔を見下ろす。
降りしきる雨に濡れているのはクリスだけではない。
クリスの立ち去る姿を見つけ直ぐに部屋を飛び出したのだろう。
コートを纏ったクリスと違い、軽装のままのカイトの淡い色のシャツはぐっしょりと水を含み、柔らかい髪の毛も水に濡れ、白い肌にぺたりと張り付いていた。
このままでは風邪を引いてしまうだろう。
クリスは急くように口を開いた。
「今までずっと苦痛だった。煩わしいとさえ思っていた──君のことを」
「──……ッ…」
カイトの表情が歪んだ。
それが怒りのせいであればと祈るクリスの願いも虚しく、雨粒の滴るカイトの顔から、異なる雫が零れ落ちた。
「さよならだ」
再び背を向け歩き出したクリスを引き止めるものはなかった。
振り返って最後に一目この目に焼き付けたかった。
傷ついたカイトの姿を目に焼き付けて再び彼と会った時に揺らぐことのないように。
だがそれは出来なかった。
そんな姿を見たら、前に進めない気がした。
傷ついたカイトを置いて父の元へ戻れない予感さえあった。
今はただ、憎んでくれ、と願う。
恨んでくれと望む。
そうすれば、私の言葉に傷ついた君は時間と共に私と過ごした日々を忘れることが出来るだろう。
それとも、それは私の未練であるのか。
憎んで、恨まれていれば、私と過ごした日々のことを、カイトは一生忘れられないのではと。
どちらが良かったのか、もうクリスにはわからない。
嘘で傷つけるのと、真実で傷つけることのどちらがカイトにとっての苦しみなのか。
今はただ、カイトと同じ痛みを感じながら、振り返ること無く打ち付ける雨の中を歩き続けることしか出来なかった。
さようなら、カイト。
君と過ごした幸せな日々を思いながら、私は復讐を成し遂げるだろう。
その時はカイト。
君との思い出を抱きしめながら、君と同じ色の涙を流そう。
+++
Vさんはカイトに自分を嫌いになって欲しかったのです。
ひどい言葉で傷つけるから、自分のことを嫌いになって、早く忘れて欲しかったのです。
幸せな日々を忘れたら、また自分と顔を会わせてもカイトが苦しまずに済むのではないかと期待してたのです。
でも恨むということはその人のことを忘れないということでもあるから、本当はVさんはカイトに自分を覚えていて欲しかったのです。
トロンが復讐に誘いに来る前のクリストファーと過ごした日々を覚えていて欲しかったのです。
もう昔の自分は死んだのだと。つまり、昔のような関係に戻ることが出来ないって確信していたのでしょう。
というわけですよ。何か頭で整理しながらだったので口調がしっちゃかめっちゃかですが、つまり未練がましいのかそうでないのか複雑なVカイ萌え!
珍しく悲恋です。
いつもはハッピーエンド至上主義なので多分今度は幸せVカイ書きたくなる。
お借りしたお題は Discolo 様 から。
『さよならの嘘』というお題をお借りしました。

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タイトルから分かるようにまたまた別れネタです。
ゼアルの簡単な年表を妄想脳内補完したものにしたがって打ってます。
フェイカーが扉を開いたのが5年前。
クリスは2年間フェイカーの元に残っており、その間Vカイ修行時代。
2年後変わり果てた姿のバイロンがクリスの前に現れ、クリスはカイトの前から姿を消す。と。
つまりカイトと一緒にいた期間が2年という設定であります。(´・ω・`)
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父が消えてもう2年が経とうとしている。
一人この世の果てから生還したDr.フェイカーは彼の息子たちをこのハートランドへ招き、自らは研究室に篭って何事かを懸命に続けている。
暫くしてクリスはDr.フェイカーの息子の一人であるカイトと懇意になり、つい先程も彼にデュエルを教えてきたばかりだ。
夜もふけ各々自室へと帰ることになり、クリスは蓄積された疲労に軽く息を吐きだした。
「こんばんは」
「!?」
突然背後から声を掛けられ、クリスは背筋を凍らせる。
弾かれたように振り向いた先にいたのは、飴色の髪をした見たこともない子供であった。
「驚いた……一体いつ入ってきたんだい?」
全く気配に気づかなかった。
それどころか、いつ…それも、施錠された室内へどうやって入って来たのだろうかと思い至った瞬間、その少年はゆっくりと口を開いた。
「少し見ない間に背が伸びたようだね、クリス」
「……え……」
この少年は何故、自分の名前を知っているのか。
いや、そうではない。
まるで昔の自分を知っているとでも言いたげな口ぶりに、クリスは激しく動揺した。
「君…は…一体──」
「迎えに来たよ。……クリストファー」
「……っ!?」
姿形に見覚えはない。
ただその飴色の三つ編みと、蜂蜜色の瞳。そして何より少年の纏う雰囲気にクリスは懐かしさを覚えてしまったのだ。
そう、行方不明になってしまったはずの父、バイロン・アークライトに、目の前の少年の姿が重なって見えるのである。
「…父…様……?」
信じられないという思いで、しかし間違っているはずなどないという確信を乗せて呟いたクリスの言葉を聞いて、少年は口元に笑みを浮かべた。
自室で荷物を纏める。
鞄1つに収まる程度の荷物に荷造りは直ぐに済んだ。
いつの間にか外は土砂降りの雨が降り注いでいた。
どす黒い泥水のような夜空に時折白い稲光を走らせながら、大粒の雨が透明な窓ガラスを滴り落ちる。
父から全てを聞いたクリスはもうDr.フェイカーの元へいることなど耐えられなかった。
しかし、彼らの息子達と別れるのは正直、気が進まない。
フェイカーの所業はカイトたちがここへ来る前のことだ。
病気の弟と、それを甲斐甲斐しく世話するカイトのひたむきさはクリスの手放した弟達をどこか彷彿とさせた。
けれど、父の命令は絶対である。
何より父を裏切ったフェイカーを、クリスは許すことなど出来ない。
クリスの思惑がどうであれ、真意がどうであれ、いずれ訪れるであろうフェイカーへの復讐の際、天城兄弟と再会するのは避けては通れない道だろう。
荷物を纏め、コートを羽織り、クリスはハルトの部屋に立ち尽くしていた。
ハルトはよく眠っている。
クリスが彼ら兄弟と出会って数年が経つが、クリスはハルトとマトモに会話をしたことがない。
それでも、焦点の定まらない視線のハルトに健気に笑顔を向け続けるカイトの様子を見ていれば、彼の弟がどんな少年であったかなど想像するに易い。
父はDr.フェイカーに復讐するつもりだ。
その時、真っ先に標的になるのが彼の息子達であろう。
その瞬間にはハルトの自我は戻ってきているのだろうか。
ハルトの病気が治っていようといまいと、その瞬間が訪れた時、クリスは後悔しないだろう。
起きている時よりも安らかにすら見える寝顔に背を向けて、クリスは部屋を後にした。
もうここには戻ってこないだろう。
復讐が始まれば、また彼らと相まみえる。
クリスを師と仰ぐ無垢なカイトの顔を苦痛に歪めさせることになる。
いずれそうなるのだ。
何も今そうしなければならないというわけではない。
クリスはカイトの部屋へ足を向ける事なく、雨の降りしきる通りを進んだ。
傘など差す気にはなれない。弟達を迎えに行って、フェイカーへの復讐を始めなければならない。
父をあんな姿へ変えたこと、真実を語らず数年の間クリスを欺いていたこと。家族をバラバラにしたこと。
そして何より、父の信頼を踏みにじったフェイカーへ対する怒りや憎しみがクリスの顔を歪めるのだ。
ぎりと奥歯を噛み締めたクリスの歪んだ口端を雨粒が伝い落ちる。
雷雨の中、全身ずぶ濡れで歩くクリスの後から、ばしゃばしゃと水溜りを跳ねさせる音が聞こえた。
「クリス…ッ!」
自分を呼ぶ細い声にクリスは僅かに目を見張る。
どうして来てしまったのか。
クリスは苦痛に顔を歪めた。
不規則に息を切らせながらカイトが駆け寄ってくる。
ぐっとコートの裾を捕まれ、クリスは動きを止めた。
緩慢な動作で振り返ればカイトは呼吸を乱したまま、不安げに瞳を揺らしていた。
復讐を決めた今でも、カイトを思っているからこそ、何も告げずにいたのに。
大人しく雷雨に目を閉じていればこうしてまみえることもなかったのに。
しかし、カイトはクリスを追ってきてしまった。
カイトに何を言われた所でもうクリスは決めているのだ。
フェイカーのところには、カイトの元には戻ることが出来ないのだと。
そのカイトと、いつかまた相まみえる日が来ることをクリスは知っているからこそ、コートを掴んだ細く頼りない指先を、クリスは強く振り払った。
予想だにしなかった衝撃にカイトの華奢な体は軽々と吹き飛ばされ、背後の水溜りにばしゃりと尻餅をつく。
「……ク、リス……?」
何が起こったのか分かっていないのだろう。
こんな酷い仕打ちをされても、カイトはあくまで豹変したクリスを心配そうに見上げていた。
その表情にクリスの胸が痛む。
この優しい少年をフェイカーへの復讐のために傷つける日が来るのだ。
それは避けられない未来である。
ならば、少年を傷つけるのは早いほうが良い。
近い将来、クリスは自分を慕うこの少年の心を大いに傷つけるであろう。
それは決して自惚れではない。
カイトと過ごした2年の歳月が裏付けており、何より、今こうしている間にもクリスはカイトを拒絶したことに胸を痛めているのだから。
傷つくのなら早いほうが良い。
時がカイトの傷を癒し、彼を強くするだろう。
私に受けた傷など気にもとめなくなる程、彼を成長させるだろう。
それが、Vがカイトにしてやれる最後の教えだった。
「カイト……君には失望した」
「…っ!?」
クリスの容赦無い刃物がカイトの心を抉るのが、その引き攣った表情から見て取れた。
「こんなところまで私に追い縋って来るとは……私はいつまで君の子守をしていなければならないんだ?」
カイトを引き裂くために研ぎ澄ました刃は、予想以上の切れ味でカイトの心を切り裂いている。
ことさら冷めた視線を作り、蒼白となったカイトの顔を見下ろす。
降りしきる雨に濡れているのはクリスだけではない。
クリスの立ち去る姿を見つけ直ぐに部屋を飛び出したのだろう。
コートを纏ったクリスと違い、軽装のままのカイトの淡い色のシャツはぐっしょりと水を含み、柔らかい髪の毛も水に濡れ、白い肌にぺたりと張り付いていた。
このままでは風邪を引いてしまうだろう。
クリスは急くように口を開いた。
「今までずっと苦痛だった。煩わしいとさえ思っていた──君のことを」
「──……ッ…」
カイトの表情が歪んだ。
それが怒りのせいであればと祈るクリスの願いも虚しく、雨粒の滴るカイトの顔から、異なる雫が零れ落ちた。
「さよならだ」
再び背を向け歩き出したクリスを引き止めるものはなかった。
振り返って最後に一目この目に焼き付けたかった。
傷ついたカイトの姿を目に焼き付けて再び彼と会った時に揺らぐことのないように。
だがそれは出来なかった。
そんな姿を見たら、前に進めない気がした。
傷ついたカイトを置いて父の元へ戻れない予感さえあった。
今はただ、憎んでくれ、と願う。
恨んでくれと望む。
そうすれば、私の言葉に傷ついた君は時間と共に私と過ごした日々を忘れることが出来るだろう。
それとも、それは私の未練であるのか。
憎んで、恨まれていれば、私と過ごした日々のことを、カイトは一生忘れられないのではと。
どちらが良かったのか、もうクリスにはわからない。
嘘で傷つけるのと、真実で傷つけることのどちらがカイトにとっての苦しみなのか。
今はただ、カイトと同じ痛みを感じながら、振り返ること無く打ち付ける雨の中を歩き続けることしか出来なかった。
さようなら、カイト。
君と過ごした幸せな日々を思いながら、私は復讐を成し遂げるだろう。
その時はカイト。
君との思い出を抱きしめながら、君と同じ色の涙を流そう。
+++
Vさんはカイトに自分を嫌いになって欲しかったのです。
ひどい言葉で傷つけるから、自分のことを嫌いになって、早く忘れて欲しかったのです。
幸せな日々を忘れたら、また自分と顔を会わせてもカイトが苦しまずに済むのではないかと期待してたのです。
でも恨むということはその人のことを忘れないということでもあるから、本当はVさんはカイトに自分を覚えていて欲しかったのです。
トロンが復讐に誘いに来る前のクリストファーと過ごした日々を覚えていて欲しかったのです。
もう昔の自分は死んだのだと。つまり、昔のような関係に戻ることが出来ないって確信していたのでしょう。
というわけですよ。何か頭で整理しながらだったので口調がしっちゃかめっちゃかですが、つまり未練がましいのかそうでないのか複雑なVカイ萌え!
珍しく悲恋です。
いつもはハッピーエンド至上主義なので多分今度は幸せVカイ書きたくなる。
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