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拍手ありがとうございましたっ!!
遅くなってすみません><
明日はゼアルの日なので楽しみです!早めに感想書きに来たいところですが(;´∀`)
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休み中にいろいろ絵書いたり文字打ったりしてたんですが結局集中力が続かなくてどれも中途半端になってしまいました(´;ω;`)←脆弱な意志
とても書きなぐりではありますが、リハビリの一貫で書いた風ジャを投下します。
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○○ったーで出たようなおぼろげな記憶のお題消化。
報われない感じが風ジャっぽいなって\(^o^)/
■こんなエンディングも、悪くないと思う。
ごくり。
誰もいない静まり返った狭いプライベートブースの中だ。
ただ唾を飲み込む音でさえ、やけに大きく喉を鳴らす気がして、風馬は手の中にある携帯端末を見下ろした。
小さな画面に表示されているのはずらりと並んだ数字の羅列。
その上に表示された連絡先の名前を確かめると、緊張のためか再び喉が強張る。
こんなに緊張したのはセキュリティ採用試験の合否発表の時以来かもしれない。
画面に番号を表示させたまま、かれこれ数分間も硬直している自分が流石に情けなくて、こうして考えることを許された休憩時間のリミットも刻一刻と減っていることを思い出し、風馬は意を決して通話ボタンを押した。
プルルル……と、聞き慣れた電子音が風馬の焦りを募らせる。
時間にして数秒。だが風馬にはそれ以上にも感じられるコール時間だった。
この日、この瞬間を数週間前から待ち望んでいたのだ。
風馬はもう一度携帯端末へ視線を落とす。
ジャック。通話相手として登録されているのは、ネオドミノシティの住人であれば、いや、そうでなくとも誰もが知っている名前である。
かつてのキングの名。今はその座を譲っているが、きっといつか必ずキングの称号を取り戻すと信じているのは何も風馬だけではない。
風馬がジャックと出会ったのはほんの偶然にすぎなかったが、それでもこうして自分の連絡先にジャックの名が登録されていることに、時々夢ではないかと疑いたくなることもある。
そして、それが夢ではないと告げるかのように、モニタ越しに聞き覚えのある声が、決して忘れることのない心地よい声が耳を打った。
「風馬。どうした?」
珍しいな、と驚いたような声が通話口の向こうから聞こえてくる。
そう言えば久しくジャックの顔を見ていないことを思い出すと同時に、風馬の喉はあれだけの緊張が嘘のようにすらすらと言葉を発していた。
「いや、ちょっとジャックの声が聞きたくてさ」
ほんの数分前までボタンを押すことさえ躊躇うほどだったのに、風馬の身体はジャックの声を聞いた瞬間、まるで緊張していたことなど演技であったかのように緩やかに笑みを浮かべていた。
冗談めいた風馬の言葉を聞いてか、ジャックが不思議そうに言う。
「?変わった奴だ。会いに来れば良いものを」
ジャックの何気ない一言に風馬は心臓を鷲掴みにされる。
そういう飾らないストレートな言葉をジャックは好んで使用する。
本人はきっとそこに含ませた意味は無いのだろうが、好意を持っている人間からそんな言葉をかけられてどぎまぎしない者はいないだろう。
しかし、相変わらず風馬の意に反して、風馬の口は驚くべきことに酷く自然な受け答えを吐き出した。
一度堰を切ってしまえば、もう止まらなかった。
「あはは。嬉しいな。ところで今日の夜空いてる?」
「?あぁ。それがどうした?」
「実は一緒に食事でもと思って、もちろん奢らせてもらうよ。……最も、迷惑じゃなければだけど」
自分でも驚愕する程よく回る口で一気に要件を伝える。
電話の向こうで、少しだけジャックの声が止まった。
断られるかもしれない。と不意に浮かぶ。
もちろんそんな可能性など承知の上だ。それを覚悟していない筈がない。
少しのためらいの後に、ジャックの声が届いた。
「…だが……いいのか?」
「もちろん!今月はボーナス出たからさ」
ここでジャックに断る隙を与えてなるものか、と思っていたわけでは決してないのだが、嘘と事実とを巧妙に織り交ぜながら、思わず携帯端末を握る手に力が入る。
「一度ジャックとはゆっくり話をしたいと思ってたんだ」
「……あぁ、オレもだ」
「じゃぁ、迎えに行くよ。時間は──」
内心ガッツポーズを決めながら俺は自分でも恥ずかしくなるほど上ずった声で電話口に向かってしゃべっていた。
そして約束の時刻。
予約すら難しいと巷で話題の洒落たフランス料理店に、仕事の休憩時間にちょくちょく連絡を入れてようやく二人分の席を確保した。
ムード的にはワインの一本でも開けたいところではあったが、きっとジャックはDホイールで来るだろうから、酒の予定はない。
酒を飲まなくても食事は十分に楽しめる。
浮足立つのを何とか抑えながらジャックの現住所である時計屋へ足を踏み入れると、ガレージにはすでにジャックが待っていた。
「おぉ、来たな風馬。待っていたぞ」
「じゃあ早速だけど、行こうか」
「おぉ」
ちらりと時計に目をやった風馬の向こうでジャックが相槌を打つ。
まだ予約の時間まで充分ある。どこか景色の良いルートでも通ろうか……とあれこれ脳裏に思い浮かべていると、ジャックが声を上げた。
「行くぞお前達」
「え」
思いもよらない言葉に思わず風馬は二度見してしまう。
ジャックの視線を追って階段上に目を向けると、僅かに開いた扉の下からクロウ、ブルーノ、少し奥まった位置に遊星のこちらを伺う遠慮がちな表情が覗いていた。
早く降りてこい、とジャックに急かされ何となく重い足取りで階段を降りてきた三人を風馬はただただ目を瞬かせながら眺めるしかない。
そんな風馬の前で、クロウが申し訳なさそうに口を開く。
「なぁ、ジャックよお。風馬はきっとお前だけを誘ったんだぜ?」
その言葉に風馬はようやく気がついた。
ジャックの返答がそれを確証付ける。
「何を言う。風馬がそんな器の狭い男であるはずがない」
ジャックにそこまで期待されて正直悪い気がするはずもないが、いまいち状況が理解できていないのと、今後の対処に悩んでいるのも事実でこの時ばかりはおしゃべりな風馬も言葉が出てこない。
そこへブルーノがおずおずとジャックに告げる。
「でも、なんだか風馬さんも驚いているみたいだよ」
「とにかく一度事情を説明してはどうだろう。このままでは風馬も混乱するだろう」
「……ふむそうだな」
遊星に頷き、ジャックがこちらを振り向く。
「すまんな風馬。せっかく誘ってもらったのにご覧の有様だ。実は一週間前に全員の貯金がつきてしまってな」
「い、一週間……!?」
「全く情けない奴らだろう」
ジャックの言葉に改めて遊星たちを見る。なるほど確かに普段の彼らから感じられる覇気が今はない。ジャックだけが妙にぴんぴんしているのを除いては。
「情けねーのはテメェだ!全員が仕事で留守の間に最後の食料を一人で食っちまったんだからな!そりゃピンピンしてるだろうぜ!」
「なにを!?あのキングヌードルはもともとオレのものだ!一人で食って何が悪い!」
「てめぇ開き直りやがって!」
今にも殴りかかりそうなクロウを後ろから抱きかかえながら、遊星が申し訳なさそうに言った。
「こういうことなんだが、驚いただろう。ジャックから、風馬に食事に誘われたから俺たちも──と聞いたんだが、もし情報の行き違いがあるのなら気にせずジャックを連れて行ってくれ」
最後の力を振り絞り暴れるクロウをなだめる遊星は、力んだせいか盛大に腹の虫をうならせて言った。
何とも間の抜けた腹の音にブルーノは乾いた笑いを浮かべながら、今にも倒れそうな顔色をしている。
そんな彼らを目の当たりにし、風馬は小さく苦笑して言った。
「いや、大丈夫。奢ると言ったのは嘘じゃないし、ジャックだけを誘ったわけでもないよ。実は君達のことは牛尾から聞いててさ。いつも世話になっているし、少しでも助けになりたくてね」
よくもまぁこんな思いつきがぺらぺらと口をつくものだと風馬はただ自分の発言に驚くばかりだ。
正直予想外ではあったが、あながち全てが嘘というわけでもない。
彼らには世話になっている。セキュリティとしての立場から見ても、彼らの役に立ちたいというのは本心なのだ。
「ほら見ろ!風馬は貴様らの言うような器量の狭い人間ではないわ!」
「ほんとうにいいのか?」
遊星が躊躇いがちに声をかける。クロウやブルーノも不安げに見つめてきたが、彼らの内心は常に聞こえる腹の虫によって明らかだ。
風馬の返す言葉は一つ。
「勿論さ」
その時風馬は自分でも驚くほど自然な受け答えが出来ていただろう。
同時に頭では様々な考えが巡る。まずは予約していた店にキャンセルの連絡を入れなければならない。
当日に、それも直前になってのキャンセルなど店にとっては迷惑以外の何ものでもないだろうが、元々予約すら困難な店だ。当日の空きも直ぐに他の客が入るから心配ないだろう。
当初予定していたジャックと二人っきりの食事はおあずけとなってしまったが、もしかするとこれで良かったのかもしれない。
もともとジャックがそう簡単に自分のような凡人になびくはずなど無いともわかっていたのだ。
ジャックはとても派手な性格をしている。風馬のような公務員とはそれこそ正反対の、人生の逆境にあえて挑んでいくような荒々しさがある。
そのカリスマ性に惹かれたのも事実で、同時に昔からの友を裏切らないひたむきなところも、自分がジャックという人間を好きになった理由なのだ。
「さぁ。行くぞ風馬」
「あぁ」
だからたまにはこんなエンディングがあっても悪くは無いじゃないか。
それに、外堀から埋めるのもそう悪い手ではないと、昔の偉い人も言っているのだから。
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遊ジャ前提っていうより純粋な風ジャかもしれない。
私にしては珍しく風馬さんが当て馬じゃないけど恋人未満のような。
ジャックに自覚がない感じです。
あと風馬さん視点で書くと風馬さんが内心めちゃくちゃ慌ててたり全然スマートじゃなくてそれってイメージ壊さないかなと思いながら打ってたんですが、素でクサイ台詞をそうとは思わずに言ってる風馬さんもかっこいいしこんなこというつもりじゃないのに何か言葉がポンポン出てしまって周りから見るとこの人よくこんな恥ずかしい言葉を恥ずかしげもなく(でもイケメンだから許される)みたいな感じも一度くらい書いていいかなあなんて。
すみませんホント最近落ち着いて文章打ててない……本読みます(´;ω;`)
こんなところまで読んでいただきありがとうございます><
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