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腐よろず雑記。 感想やラクガキ・小ネタを投下してます。 ZEXALが無事最終回を迎えましたが相変わらずカイト受けを欲しています!!切実!!
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GG2の設定資料の本に各々の2に至る小話が付いてるんですが。
それのソルとカイのを読んだ上で、自分なりに思うところがあったので打ってみたリハビリ文です。
キスクはキスクなりに自分の心と、世界と戦いながら足掻くというのなら、やっぱり見届けたいと思います。いろいろ言ったけどね。
願わくば木陰がディズィーであってくれると嬉しいです。

ちなみになんかいろいろ考えてたら最終的にソル死亡フラグじゃね?とかげふんげふん主人公死ぬなよと思いつつ(´∀`)

+++

GG2ではカイに妻がいるけれども、まぁホモを考えないとしてもそれまでの聖戦時代やいろいろの時代で相まみえたソルとカイの運命みたいなものがソルに特別な存在として少しでも自覚されてくれればソルカイ的には美味しいと思いつつ(^q^)

+++
人とギアが共存できる世界。
無慈悲の権化、意志無き殺戮、人類がその手で生み出してしまった史上最悪にして最大の罪。
そのギアと100年もの永きに渡る死闘を繰り広げてきた聖騎士団の最後の団長を務めたカイにとって、頭を過ぎったその未来像はかつての自分の信念と真逆に位置するものであった。
聖戦のきっかけとなった白亜のギアが倒れて数年。
生まれ育った十数年間をただひたすら人類の勝利のために、ギアのない世界のために。
人が幸せに穏やかに暮らしていける世界のためにと戦場の最前線で尽力していたカイは、聖戦の終戦の後に治安維持機関に属しながら今も最前線で悪と戦う日々に明け暮れていた。
その相手が作られた異形の者達ではなく、自分と何一つ変わらぬ姿をした人間であることだけが、聖戦時代と明らかに異なる部分であった。
結局のところ、人は平和に慣れてしまって、戦争の苦しみを忘れてしまう生き物なのだろう。
カイとて時折思ってしまうのだ。
聖戦の最中眼の前で切り裂かれる仲間たちの姿、流された多くの血、切り捨てられたギアの死体を幾度と無く目にする毎日。
そんな日々に早くピリオドを打ちたいと。人類が皆忘れてしまった平和な日常を取り戻したい。もう誰も目の前で大切な人を失う苦しみを味わわなくても良い世界を切望していたのに。
ギアの脅威から開放された世界で、今度は人が人を苦しめる。
創りだされた自然の摂理から外れた人外の者達ではなく、自分と何一つ違わぬ、聖戦中にギアに食い殺された彼らと違わぬ人間が、この平和になったはずの世界で平和を乱している現実。
そんな時、カイの心に影がさすのだ。
何も知らず、ただ目の前のギアを悪として屠り、それだけが正義だと。戦うことが平和に繋がると信じていた、愚かな昔を懐かしむ。
薄い紙切れ1枚で人の一生を決めることが出来る時代、果たしてそんなものが、自分の守りたかった正義なのかと揺らぐことがある。
ギアとの聖戦の火蓋が切って落とされたのは、意思を持たぬギアの中から意思を持ったギアが現れたことがそもそもの始まりだった。
そのギアは皮肉にも正義の名を冠し、人外の圧倒的な力と高い知能でその他に存在した地球上の全ての意思持たぬギアを統率し人類に牙を剥いた。
正義と呼ばれた白亜のギア、ジャスティスの死亡が確認されたのは聖戦後に開かれた武道大会でのことである。
優勝者にはなんでも望むものが与えられるとの触れ込みはカイに不信を抱かせるには十分すぎる程で、その真意を確かめるためにカイも一出場者として参加者に加わった。
案の定、まともな大会であるはずもなく、それらはジャスティスを復活させんと仕組まれた罠であり、悪夢に誘われた災厄が現世に舞い戻ってしまった。
カイにはどうすることも出来ず、そこでカイはジャスティスからギアの正体を聞かされる。
ギアは悪だと教えこまされて生きてきたカイにとて、ギアという罪を生み出したのがそもそも人間であったことは、自らの信念を根底から覆す事実であった。
そしてそのギアの王を屠ったかつての戦友もまた、ギアであったという事実に全てが崩れ去る恐怖に震えるしかなかった。
ギアとは悪ではないのか。否、罪もない人々を苦しめるギアを倒すことは決して間違いでは無かったとカイは信じている。
しかし、そもそもの始まりが人間による罪であるなら、人間のエゴによって生み出されただけの彼らギアという存在に、罪はあるのだろうか。
そして聖戦時代、互いの背を預け共にギアと戦ったソルという存在が、カイにギアとは何なのかと問いかける。
ギアとは、自分のしてきたことは、戦い命を落とした者達は……。机に向かい苦悩するカイの元へ、ある懸賞金リストが目に入る。
意思を持った自立型ギアの目撃。
ジャスティスの再来か、しかし目撃談を集めるうちに、そのギアが強大な力を持っていながらも決して自分から人を傷つけようとはしていないことが判明する。
意志を持ち、殺意を持たぬ自立型ギア。もしかすると自分の求める答えがそこにあるのではないか。
彼女の心に触れて、カイは確信した。
生み出された彼らギアという存在に罪は無い。
ギアに植え付けられた破壊衝動は、元を正せば人間が人間を殺すために犯した罪である。
ましてや人とギアとの間に生を受けながらも争いを嫌い、人外の力を拒み、ただ静かに暮らしたいと涙を流す眼の前の少女の何が自分と違うというのだろう。
嫌悪すべきが人外の力だと言うのならば、ギアを屠るこの人並み外れたカイの存在もまた平和になった世の中では異質なものだ。
聖戦が終焉を迎えてもまだお互いを認め合い敬い合うことが出来ず、強者が弱者を食い物にする生き物が人間である。
ただギアというだけで、人間とは違う異形の者というだけで、聖戦が完全に終結した後にこの世に生まれ落ちたこの少女の存在が虐げられることが正義であるのか。
人の寄り付かぬ魔の森の奥深くで、人目をはばかりひっそりと生きている彼女が、ただ存在しているだけで罪であると迫害される謂れがあるのだろうか。
カイにはどうしてもそうは思えなかった。
他人に対する優しさを持っている彼女がただささやかに生きていきたいと、そんな小さな願いを叶えることが、それこそが自分の目指し、信じていた未来なのではないか。
彼女が身籠り、彼女のような混血の存在をまた一人、ほそぼそと生きることすら難しい世界で、生まれてくる子に彼女と同じ苦しみを味わわせてしまうかもしれないという罪悪感。
こんな世界を変えるには、国を動かせる力を得るしか道はないのでは。
カイが元老院に呼び出されたのは、まさにそんな時だった。
イリュリア連王国の玉座を渡す。その代わり、何も考えぬ傀儡になれと。
隠し通してきたはずの彼女の存在をちらつかせられては、カイに拒否権は無いも同然だった。
元老院の思惑は読めないが、カイに飾りだけの王になれと命令するあたり、まともな思惑ではないことだけは確かであった。
自分と、そして彼女は監視下に置かれるであろう。
しかし……。
生まれた子は母より受け継いだ血により、人間のそれを遙かに超えた速度で成長していた。
この子だけは、自分の、人間のつまらぬしがらみからは離れたところで育って欲しい。
コツン、と誰も居ないはずの聖堂に硬い靴音が響いた。
振り返った先に現れた懐かしい姿に、カイは息を呑む。
「ソル……」
何年ぶりだろうか、彼女と出会った時、その男も同じ森にいた。
それからは、稀に名前を耳にすることがあるだけだった。
男は久方ぶりに目にする青年の姿をいつもの不躾な視線で見下ろし、呆れ果てる。
「ひでぇ面だな」
前にも増して、と吐き捨てる声に返す言葉もない。
男は常にカイの置かれているしがらみに捕われぬ生き方をしていた。
人間社会のそれに全く左右されない存在なのだ、この男は、昔からずっと。
……この男ならば。
カイは男の目に宿る憐憫に己の不甲斐なさを感じながらも恐れ気なく男と向い合い、口を開いた。
目の前の青年の口から出た頼み事に、男は煩わしそうに頭を掻く。
見た目の柔らかさと異なり、一度決めたら梃子でも動かぬ男なのだ、目の前の青年は。
カイ・キスクという人間は昔から、潔癖すぎる理想に押し潰されない頑固さと、それに見合うだけの力を持っていた。
記憶の彼方で捨て去った情熱と真っ直ぐすぎる程の真摯さに目眩にも似た眩しさを感じる。

「テメェの面倒が片付くまでだぞ」

人とギアが共存出来る世界。
過去数千年もの時を費やして尚、人間同士ですら困難で、これまで誰も辿り着くことが出来なかった世界。
ましてや人とギアという、誰もが夢にさえ思わなかった理想である。
そこにお前の望む信念があるというのなら、俺にお前の信じてきたものが間違っていなかったと証明してみせろ。

それを見届けてからでも悪くない。

いつの時代も希望と呼ばれた青年の瞳に新たに映った光を認め、男は笑みを浮かべた。
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