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ゼアルネタを進めてる最中に集中力が切れたらなるべく絵に逃げず文章の練習しようと思ってるのですが、案外いろいろ結末まで悩みながら考えるより適当に考えなしで進んだ方が着地するかもしれない……。
と寄り道しつつですが、大丈夫です遊戯王メインジャンルの筈です毎日ゼアルED見てV兄様とカイトきゅんにはぁはぁするくらいにはVカイ大好きですクソメとか知らないカイトきゅんは今後虫よけを持ち歩くべき。(戻ってきたら来たでこの扱い)
+++
■追記の小ネタについて。
バスタード(他ジャンル)ガラカル小ネタです。
リハビリだと思って着地させたものを救済。
以前にカル様=氷使い=雪女=雪女って愛した男を凍りづけにして持って帰るんだよねってことで考えてたネタを消化です。
+++
+++
──あぁ、嫌になる……。
夜とは思えぬほどのうす明るさに、投げた自分の腕はいつも以上に不健康そうで、異常なほど青白く暗闇に浮き上がって見えた。
だらりと寝台に横たわり、何をするでも、何かを思案しているわけでもなく、ただ何もせず無気力に横たわっている自分を見て彼ならなんと言うだろうか。
らしくもない……と、呆れながらも物珍しさに不躾な視線を寄越すのが関の山だ。
そう、結論づけた時だった。
「なんだ、らしくねぇなぁ」
幻聴か、と一瞬でも思ってしまった自分の思考力の低下にカルはいよいよマズい状況であるとようやく実感する。
背を向けたテラスの先は高い塔の最上階で、本来ならば玄関でもないそんなところから声など聞こえるはずもない場所である。
けれど声は確かに聞こえたし、注意してそこへ意識を向ければ見知った気配がそこにあった。
何より、そんな気配など窺わなくとも先程までカルを照らしていた月明かりが今は遮られていることを見ればそこに誰かがいることは明白で。
カルにはこんな真夜中に勝手に寝室へ入り込んでくる無礼な人物の心当たりなど、一人しか思い浮かばなかったのである。
「ガラか」
出来れば今は相手にしたくない人物だ。
さも面倒だと告げるかのように声を落として答えれば、常人ならばよほどの重要連絡でも必要最低限のみ言い残し即座に部屋を去るだろう。
しかしそんな小細工はこの男には通じないのだ。
カルがそのことを思い出したのは、既に言葉が喉から飛び出した後だった。
「珍しく機嫌が悪いじゃねぇか。……あの日か?」
からかうような冗談に突っ込む気力さえある筈がなく、カルは仕方なしに寝台から身を起こすと、半ば睨めつけるような視線をガラへ送った。
振り向いた先にはやはり呆れたような、しかし興味深そうにカルを見る予想通りの姿があった。
「悪いが今日はお前の相手をしている余裕はない」
正直に伝えてしまった方がきっと手っ取り早い。
先程ガラの言った冗談があながち間違いではなかったと認めるのは癇に障るものの、声を掛けられるまでガラの存在に気付けないなどという時点で既に普通の精神状態ではないのだ。
「今日の私はいつもの私ではない。何か用があるなら明日にしてくれ」
天体の配置が悪いのだといくらガラに説明したところで彼の理解は得られないだろう。
とにかく都合が悪いと告げればきっと、占星術に疎いガラでも流石に今日は引くだろうと考えてのことだったのだが……。
「何だ、具合でも悪いのか?」
引く気配のない返答にカルは思わず普段は絶対にしない舌打ちを漏らした。
その鋭い音がガラにも届いたのだろう、普段とあまりに違う様子のカルを前に、いつものおせっかいが疼いてしまったのか。
逃げるどころかどしどしとその巨体を揺らして、カルの寝台へ乗り上げた。
「やめろ……構うな」
「調子が悪いってのは……苦しいのか?」
「痛みはない。……ただ、精神が尖っているのだ。今の私には普段は気にもとめないあらゆることへ不快感を覚えてしまう」
ガラにわかりやすく説明するにはどうすればいいのか……。ネイのようだと伝えても、魔法を使わないガラにはきっとぴんとこないだろう。
天体と魔力は少なからず連動している。
そして魔力とそれを司る精霊達もまた、天体の配置に左右されるのだ。
普段であれば精霊が多少騒いだところでカルの心を乱すことはありえないのだが、星が絡むとカルとてそれを無視することはできなくなる。
幼い頃のネイがよくカルの前で星々の影響を受けていたのを不意に思い出す。
カルよりもなお精霊との結びつきの強いネイは昔から精神を支配されることに悪い意味で慣れていた。
そのため今のネイはいくら天体の配置が乱れようとも滅多に自我を手放すことはなくなったのだが、今のカルは魔力に振り回されていた昔のネイそのものなのだ。
普段は取るに足らないか弱い精霊の本気か嘘か冗談かも分からない言葉遊びが延々と頭のなかに響いているのだ。
どんなに思考を研ぎ澄まそうとしても、意識を断ち切ろうとしても精霊の前では無力としか言いようがない。
カルの魔力は精霊からもたらされるものであって、そんな彼らからの接触を避ける事は慣れないカルには不向きなのだ。
「なぁ、ホントに大丈夫か?」
この時ほどガラの野性的な目敏さを恨めしく思ったことはない。
魔法を使わないガラはカルは勿論、D・Sや他の四天王の面々と違い、自らの勘や本能で動いている人間だ。
当のカル本人にすらわからない何かを感じ取っているのかもしれないが、だからこそカルはガラがこれ以上自分の近くに居るべきではないとも悟った。
「ガラ、離れろ……」
ようやく絞り出した言葉は白い息を纏っていた。
いつの間にかカルの全身から冷気を帯びた魔力が溢れ出ているのである。
息を凍らせたその力は冷たく、重く流れ落ち、寝台の周囲を雲のように渦巻いている。
「おい、カル……ホントに大丈夫なのか?」
「大丈夫だ、気にするな……それより、早く行けと、言っている…」
「…………」
ガラは自分の魔力に凍えるカルの身体を無言で眺めやった。
「何をしている……さっさと行け…」
「嫌だね」
「な……っ」
信じられない答えに、カルは己の耳を疑った。
「何を考えている……見てわからないのか?客観的に見て今の私は自分の魔力を制御出来ていないのだぞ」
「あぁ……そうみてぇだな」
「何を呑気な……」
常日頃から天邪鬼で人をからかうのが趣味だと揶揄もしていたが、カルの言葉が大げさなものか緊迫したものであるかの判断は出来ると思っていた。
「今の私は、例えお前を凍りづけにしたとしても、自分を止められる自信がない」
「へぇ……」
「凍りづけにされたいのか!?」
らしくもなく声を上げればその声にガラはようやく驚いた表情を見せる。
しかし、やはり立ち去る素振りは微塵も見えない。
それどころか何故かガラは不敵な笑みを、蒼白としたカルに向けた。
「……悪かぁねぇな」
「何……?」
「男を凍りづけにするなんて、おめぇもいよいよ雪女みてぇだな」
「……冗談を言っている場合か」
もう怒るだけの余裕もない。
カルは常々自分の魔力に振り回され続けてきたが、刻々と全身から魔力を溢れさせていることよりも、まず何よりも厄介なのは今日という日にこの男に見つかってしまったことだと諦める。
幾分思考が落ち着いてきたのは恐らく魔力の放出からカルの身体を守るために自己防衛が働き、睡魔が押し寄せているせいなのだろう。
通常人間は眠りに落ちる瞬間は思考が淀む。けれど何もかもが乱れた今のカルにとって、眠りこそが唯一煩わしい思考から解き放たれる瞬間なのだ。
「何だ、眠いのか?」
ガラが意外そうに問いかける声に何を返したかも定かではない。
脳に直接問いかける精霊の言葉遊びも、カルに冗談めいた言葉を掛けるガラの声にも、何もかもから耳をふさいでしまいたい。
自分のものであって他人の物のような身体に僅かに残った感触が、ガラがカルの冷たい身体を抱きしめているのだと伝えてきた。
「……馬鹿め……」
カルの魔力は冷気を帯びる。
本人の意志とは無関係に無尽蔵に放出される冷気の溜まるこの部屋は既に氷点下を下回っているだろう。
カルの身体は氷の塊のように凍えているはずだ。
本来大きな温度差のある物体に触れれば人の皮膚は焼ける。
それは何も熱く煮えたぎったマグマだけに限らず、人の体が酷く冷やされたものに触れてもそれは凍傷というやけどを負わせるのだ。
「──なぁ」
眠りに落ちる瞬間、ガラが熱い息を吐く。
「俺は、お前になら……──」
その先は聞こえなかったのか、あえて聞かなかったのか、眠りにおちたカルにはわからなかった。
+++
バスタードの細かい云々は基本的に妄想なので根拠もへったくれもないのですけれども。
カル様がいつもより饒舌にガラの相手してくれるのは体調が悪いからです。
とは言っても結構カル様って内容によっては食って掛かり気味なのかなとおもたり。
と寄り道しつつですが、大丈夫です遊戯王メインジャンルの筈です毎日ゼアルED見てV兄様とカイトきゅんにはぁはぁするくらいにはVカイ大好きですクソメとか知らないカイトきゅんは今後虫よけを持ち歩くべき。(戻ってきたら来たでこの扱い)
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■追記の小ネタについて。
バスタード(他ジャンル)ガラカル小ネタです。
リハビリだと思って着地させたものを救済。
以前にカル様=氷使い=雪女=雪女って愛した男を凍りづけにして持って帰るんだよねってことで考えてたネタを消化です。
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──あぁ、嫌になる……。
夜とは思えぬほどのうす明るさに、投げた自分の腕はいつも以上に不健康そうで、異常なほど青白く暗闇に浮き上がって見えた。
だらりと寝台に横たわり、何をするでも、何かを思案しているわけでもなく、ただ何もせず無気力に横たわっている自分を見て彼ならなんと言うだろうか。
らしくもない……と、呆れながらも物珍しさに不躾な視線を寄越すのが関の山だ。
そう、結論づけた時だった。
「なんだ、らしくねぇなぁ」
幻聴か、と一瞬でも思ってしまった自分の思考力の低下にカルはいよいよマズい状況であるとようやく実感する。
背を向けたテラスの先は高い塔の最上階で、本来ならば玄関でもないそんなところから声など聞こえるはずもない場所である。
けれど声は確かに聞こえたし、注意してそこへ意識を向ければ見知った気配がそこにあった。
何より、そんな気配など窺わなくとも先程までカルを照らしていた月明かりが今は遮られていることを見ればそこに誰かがいることは明白で。
カルにはこんな真夜中に勝手に寝室へ入り込んでくる無礼な人物の心当たりなど、一人しか思い浮かばなかったのである。
「ガラか」
出来れば今は相手にしたくない人物だ。
さも面倒だと告げるかのように声を落として答えれば、常人ならばよほどの重要連絡でも必要最低限のみ言い残し即座に部屋を去るだろう。
しかしそんな小細工はこの男には通じないのだ。
カルがそのことを思い出したのは、既に言葉が喉から飛び出した後だった。
「珍しく機嫌が悪いじゃねぇか。……あの日か?」
からかうような冗談に突っ込む気力さえある筈がなく、カルは仕方なしに寝台から身を起こすと、半ば睨めつけるような視線をガラへ送った。
振り向いた先にはやはり呆れたような、しかし興味深そうにカルを見る予想通りの姿があった。
「悪いが今日はお前の相手をしている余裕はない」
正直に伝えてしまった方がきっと手っ取り早い。
先程ガラの言った冗談があながち間違いではなかったと認めるのは癇に障るものの、声を掛けられるまでガラの存在に気付けないなどという時点で既に普通の精神状態ではないのだ。
「今日の私はいつもの私ではない。何か用があるなら明日にしてくれ」
天体の配置が悪いのだといくらガラに説明したところで彼の理解は得られないだろう。
とにかく都合が悪いと告げればきっと、占星術に疎いガラでも流石に今日は引くだろうと考えてのことだったのだが……。
「何だ、具合でも悪いのか?」
引く気配のない返答にカルは思わず普段は絶対にしない舌打ちを漏らした。
その鋭い音がガラにも届いたのだろう、普段とあまりに違う様子のカルを前に、いつものおせっかいが疼いてしまったのか。
逃げるどころかどしどしとその巨体を揺らして、カルの寝台へ乗り上げた。
「やめろ……構うな」
「調子が悪いってのは……苦しいのか?」
「痛みはない。……ただ、精神が尖っているのだ。今の私には普段は気にもとめないあらゆることへ不快感を覚えてしまう」
ガラにわかりやすく説明するにはどうすればいいのか……。ネイのようだと伝えても、魔法を使わないガラにはきっとぴんとこないだろう。
天体と魔力は少なからず連動している。
そして魔力とそれを司る精霊達もまた、天体の配置に左右されるのだ。
普段であれば精霊が多少騒いだところでカルの心を乱すことはありえないのだが、星が絡むとカルとてそれを無視することはできなくなる。
幼い頃のネイがよくカルの前で星々の影響を受けていたのを不意に思い出す。
カルよりもなお精霊との結びつきの強いネイは昔から精神を支配されることに悪い意味で慣れていた。
そのため今のネイはいくら天体の配置が乱れようとも滅多に自我を手放すことはなくなったのだが、今のカルは魔力に振り回されていた昔のネイそのものなのだ。
普段は取るに足らないか弱い精霊の本気か嘘か冗談かも分からない言葉遊びが延々と頭のなかに響いているのだ。
どんなに思考を研ぎ澄まそうとしても、意識を断ち切ろうとしても精霊の前では無力としか言いようがない。
カルの魔力は精霊からもたらされるものであって、そんな彼らからの接触を避ける事は慣れないカルには不向きなのだ。
「なぁ、ホントに大丈夫か?」
この時ほどガラの野性的な目敏さを恨めしく思ったことはない。
魔法を使わないガラはカルは勿論、D・Sや他の四天王の面々と違い、自らの勘や本能で動いている人間だ。
当のカル本人にすらわからない何かを感じ取っているのかもしれないが、だからこそカルはガラがこれ以上自分の近くに居るべきではないとも悟った。
「ガラ、離れろ……」
ようやく絞り出した言葉は白い息を纏っていた。
いつの間にかカルの全身から冷気を帯びた魔力が溢れ出ているのである。
息を凍らせたその力は冷たく、重く流れ落ち、寝台の周囲を雲のように渦巻いている。
「おい、カル……ホントに大丈夫なのか?」
「大丈夫だ、気にするな……それより、早く行けと、言っている…」
「…………」
ガラは自分の魔力に凍えるカルの身体を無言で眺めやった。
「何をしている……さっさと行け…」
「嫌だね」
「な……っ」
信じられない答えに、カルは己の耳を疑った。
「何を考えている……見てわからないのか?客観的に見て今の私は自分の魔力を制御出来ていないのだぞ」
「あぁ……そうみてぇだな」
「何を呑気な……」
常日頃から天邪鬼で人をからかうのが趣味だと揶揄もしていたが、カルの言葉が大げさなものか緊迫したものであるかの判断は出来ると思っていた。
「今の私は、例えお前を凍りづけにしたとしても、自分を止められる自信がない」
「へぇ……」
「凍りづけにされたいのか!?」
らしくもなく声を上げればその声にガラはようやく驚いた表情を見せる。
しかし、やはり立ち去る素振りは微塵も見えない。
それどころか何故かガラは不敵な笑みを、蒼白としたカルに向けた。
「……悪かぁねぇな」
「何……?」
「男を凍りづけにするなんて、おめぇもいよいよ雪女みてぇだな」
「……冗談を言っている場合か」
もう怒るだけの余裕もない。
カルは常々自分の魔力に振り回され続けてきたが、刻々と全身から魔力を溢れさせていることよりも、まず何よりも厄介なのは今日という日にこの男に見つかってしまったことだと諦める。
幾分思考が落ち着いてきたのは恐らく魔力の放出からカルの身体を守るために自己防衛が働き、睡魔が押し寄せているせいなのだろう。
通常人間は眠りに落ちる瞬間は思考が淀む。けれど何もかもが乱れた今のカルにとって、眠りこそが唯一煩わしい思考から解き放たれる瞬間なのだ。
「何だ、眠いのか?」
ガラが意外そうに問いかける声に何を返したかも定かではない。
脳に直接問いかける精霊の言葉遊びも、カルに冗談めいた言葉を掛けるガラの声にも、何もかもから耳をふさいでしまいたい。
自分のものであって他人の物のような身体に僅かに残った感触が、ガラがカルの冷たい身体を抱きしめているのだと伝えてきた。
「……馬鹿め……」
カルの魔力は冷気を帯びる。
本人の意志とは無関係に無尽蔵に放出される冷気の溜まるこの部屋は既に氷点下を下回っているだろう。
カルの身体は氷の塊のように凍えているはずだ。
本来大きな温度差のある物体に触れれば人の皮膚は焼ける。
それは何も熱く煮えたぎったマグマだけに限らず、人の体が酷く冷やされたものに触れてもそれは凍傷というやけどを負わせるのだ。
「──なぁ」
眠りに落ちる瞬間、ガラが熱い息を吐く。
「俺は、お前になら……──」
その先は聞こえなかったのか、あえて聞かなかったのか、眠りにおちたカルにはわからなかった。
+++
バスタードの細かい云々は基本的に妄想なので根拠もへったくれもないのですけれども。
カル様がいつもより饒舌にガラの相手してくれるのは体調が悪いからです。
とは言っても結構カル様って内容によっては食って掛かり気味なのかなとおもたり。
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