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腐よろず雑記。 感想やラクガキ・小ネタを投下してます。 ZEXALが無事最終回を迎えましたが相変わらずカイト受けを欲しています!!切実!!
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ブログのPCテンプレートを変更してみました。
追記を開いた場合次ページに行かず真下に出る感じなのですが。
何か不具合などあれば拍手なりメルフォなりで一言いただければ修正いたしますですm(_ _)m



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下の記事に続けて別ジャンルで申し訳ないですが。

GUILTY GEARのソルカイで聖騎士団時代の話。

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生物は死ぬ。
遅かれ早かれ、この世に生を受けた生物はやがて皆死んでしまうのだ。
特に人間は脆い。
かつて自然界における食物連鎖の頂点に君臨し続けていた人間でさえ、笑ってしまうほど簡単に死んでしまうのである。
かつて、と言ったが今は違う。
人類が強者でいられたのは今から100年前までのことだ。
ギアが現れて、全てが変わってしまった。
ギアは生物を素体にしているものの、その生命力は素体であった頃の能力を遥かに超える。
ギア細胞に侵された生物はあらゆる理性を停止させ、ただ本能の赴くままに弱い者を食い漁った。
彼らの標的となったのが人類だ。
彼らは驚異的な生命力と尽きることのない破壊衝動にのみ突き動かされ、目の前のありとあらゆる物体を破壊するのだ。
強化された皮膚は鋼より硬く、外部からのエネルギー供給を必要としないその体躯は休息を必要とせず、命尽きるまで喰らい尽くす殺戮マシンだ。




「聖騎士団が帰って来たぞ!!」
凱旋のパレードという風習を、実のところカイはあまり快く思っていなかった。
人類を凌駕した力を持つギアに、この地上で唯一対抗できる組織。
聖騎士団。
世界中から集められた異能者が、ギアとの聖戦を終わらせるための力となり、未来へ希望を繋ぐための組織である。
効率化を追求し、一刻も早くギアを掃討するのが目的であれば、世界中に点在する数千数万ものギアプラントのうちの数カ所を殲滅したことなど、微々たる成果でしかないと言わざるを得ない。
しかし、それでもカイがこの凱旋を中止しないことには、それ相応の理由があったのだ。
「騎士様……!ありがとう!」
先頭を歩くカイの足元へ、花束を抱えた少女が駆け寄った。
少女の目線に合わせて膝を折り、少女から花束を受け取ると、少女は嬉しそうに顔を綻ばせた。
彼女らの希望となるために、この凱旋があるのだ。
こうして一歩ずつだが確実に人類は勝利へと向かっている。
いつか聖戦が集結し、人類が再び未来を取り戻した時、希望を抱いた彼女のような幼かった子どもたちが新しい世界を築いていくのである。
そのためならばカイはいつまでも戦える。
どんなに身体を引き裂かれようと、大切な戦友を看取ろうとも、他ならぬ未来のためだと自らを奮い立たせるのだ。




「坊やは寝る時間だろ?」
誰も居ないはずの修練場に、耳慣れた声が響いた。
彼は酷く大声を出したのではない。
ただ、地鳴りのように低い声音が静まり返った大理石の床を伝い反響したのである。
「貴方こそ……昼間は呼んでも来ないくせに、こんな時間に一人で鍛錬だなんて、見た目に反し随分とシャイなんですね」
我ながら酷く刺のあるものいいをしている自覚はあった。
聖騎士団はギアを一掃するために存在する。
ギアの反応を捉えていない時間さえ、全ては己を鍛え武器とするための時間の筈だ。
しかしカイの目の前に現れたソルという男は規定の時間には現れず、それどころか規律通りに動いたことなどこれまでただの一度だってありはしないのである。
「……言ってろ」
カイの精一杯の皮肉も全く効き目がないようで、ソルはカイの姿を見つけると興が冷めたとでも言いたげに踵を返した。
その後姿を呼び止める。
「待ってください」
「あ゛ぁ?」
「帰ることはないでしょう?……丁度私も相手に困っていたところです。どうです?一戦交えてみるのは?」
「……団員同士の私闘は規律違反なんじゃねえのか?」
「私闘ではありません。訓練ですよ」
「団長様ともあろうお方が屁理屈かよ」
「負けるのが怖いんですか?」
その言葉に、ソルは顔から表情を消した。
「貴方のその様子だと、この度の遠征に参加できなくてさぞ退屈だったでしょう。通常なら入団して2週間は個人の適性を見極めるために遠征への参加は禁止されていますが……」
「いいのかよ?団長様がそんなこと言って」
「えぇ。負けなければ良いんですから」
そうは言ったものの、絶対に勝てるという自信はカイには無かった。
ソルは他でもないあのクリフ団長による特別推薦だ。
異例とも言えるソルの入団に試験は行われず、保守派の守護天使数人が憤って勝負を仕掛けたものの、全く刃が立たなかったと聞いている。
しかし、カイとて今の聖騎士団を収める団長の立場だ。
カイの双肩には何千何万の命がかかっている。
模擬戦とは言え、負けるつもりは毛頭なかった。
「上等だ」
「そうと決まれば……」
カイは手近にあった訓練用の模擬刀をソルへ差し出した。
「流石に真剣は使いません。貴方に怪我をさせるわけにはいきませんから」
「随分余裕じゃねえか。吠え面かいても知らねえぞ」
「望むところです」




喉元へ剣先が触れる瞬間、勝負は決まった。
敗北を喫したのはカイの方だった。
「……なかなかおもしろかったぜ、団長さん?」
「……私の負けです。……次の遠征へは私が貴方を推薦しましょう」
「そりゃどうも」
カイの言葉を聞いて、ソルは用事は済んだとカイへ背中を向けた。
「貴方は、怖くないのですか」
問いかけではなかった。悔し紛れの怨み言を言ったつもりもなかった。
ただ、気がついたら呟いていたのだ。
呼吸とそう変わらない声に、しかしソルは振り向きカイへ視線を寄越す。
「てめぇはどうなんだよ」
声が帰ってくるとは思っておらず、カイはゆっくりと顔を上げる。
「……私は、怖い」
意外なことに、ソルは何も言わなかった。
「私は怖い。人間はギアに対してあまりにも無力だ」
どんなに厚い防具を身につけても、ギアの攻撃は容赦なく人間の薄皮を引き裂いていく。
「そして私は、そんなギアと渡り合って、今もなお生き続けている自分さえも怖くなる」
人間はギアに対して無力でか弱い存在だ。
ギアは人間を超える力を与えられている。それが自然なことだ。
けれど聖騎士団にいる人間はどうだ。
普通の人間であれば一度出会えば最後、二度目はないと言われるギアを何度となく目にし、あまつさえ人を超える力を持ったギアを殺しているのだ。
そうして生き続けている自分は、本当に人間なのか。
「私は……」
「てめぇは弱い」
ソルを見あげれば、そこには何の感情も伺えぬ、いつもの石のような顔があった。
「俺にわざと真剣を渡しただろ。俺のことを弱いと決めつけたてめえの失敗だ。俺に当たるなよ」
ソルに顎で示されてカイは右腕を押さえた。
法力で一種の膜を張っているはずの布は軽さと丈夫さを兼ね備えており普通の布の耐久力ではない。
それがぱっくりと裂けていることに、カイはソルに指摘されるまで気がつかなかった。
「思い上がるな。その奢りが他人を殺す」
カイには言い返す言葉もなかった。
「てめえは弱い、たかが人間の一人だ」
そう吐き捨てて、ソルは剣を放り投げると、振り返ること無くカイの前から姿を消した。


+++

10年GGにいたのにギアの定義についてど忘れしてた自分が怖い(((;゚д゚)))
前々から思っていることではあるのですが、聖戦時代のカイは基本的にちょっと驕りがあるくらいで丁度いいんじゃないかなと、言ってしまえば無知のままギア=悪!って突き進んで迷う要素は無い方がGG初代EDの衝撃になるんじゃないかなと思ってそういう感じにしてたりします。
仕事中……というか上官として皆の前にいる時は年上のソルに対してもタメ口というか命令口調ではあるものの、プライベートな時間になると律儀に年上に対する最低限の敬語は使ったり丁寧語になったり。
要するにブレてすみません_| ̄|●
ソルの視点が一切ないので書けませんでしたが(私の力不足(´;ω;`))、ソルは人間ではないのでカイが「ギアを殺す私もまた人間ではないのでは……」って悩みに、「そうやってうだうだ言ってる時点でてめぇは人間なんだよ」みたいなことを言わせるつもりだったんですがなんか着地点がずれた。今後の課題(´;ω;`)ウッ…
あとカイはこの時知らないけどソルはギアで、カイは人間なのでカイの悩みは悩みでもないんですよね。ソルから見ればカイはれっきとした人間だから。
でも一般人にとってはギアのいなくなった世界でカイのような異能者ってギアとイコールみたいなもんだしなあとGG2をまる無視して考えたネタです。
描きたいことを描きたい方向へ上手く持っていくのは難しいですね。奴隷ネタを最低限自分が萌えられるネタにして仕上げたい。゚(゚´Д`゚)゚。
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