忍者ブログ
腐よろず雑記。 感想やラクガキ・小ネタを投下してます。 ZEXALが無事最終回を迎えましたが相変わらずカイト受けを欲しています!!切実!!
Admin  +   Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「はぁ…はぁ…」
黄昏が夕闇に染まっていくのを仰ぎ見ながら、カイは息づいた。
右の太股部分を酷く引き裂かれ、腫れ上がった患部がじくじくと熱を持ち体力と体温を奪って行った。
動脈にまで届いてはいないようだが、このまま無理を押して歩いて帰れる距離でもない。
焼け爛れ、今にも崩れ落ちそうな煉瓦の壁に軽く背を預けただけなのにボロボロと欠片が地面に落ちていく。
1番酷い箇所は太股だが、腕や頭など数箇所から血が滲んでいる。軽く動かしたところ、右腕に力が入らない。骨が折れたのか…。
それよりも、右太股の出血が酷い。
回復系の法術を使うことができないカイは、応急処置のためフレアを裂き巻きつけて止血を試みていた。
しかし、傷口が深いのか、流れ出る血液は留まる気配すらない。
「くっ…」
駄目だ…止まらない……。
流れ出た血が脚を伝って垂れ、どす黒い血溜りをつくる。凝固の上に鮮血が滴り、目に見えて広がって行く。
寒い…。
血を流しすぎて体温が奪われているんだろう。
なんとかして出血を止めないと…。
急がなければ最悪、戦えなくなる。
何か良い手立ては…逡巡したカイの脳裏にある方法が浮かんだ。
炎系は…あまり得意ではないが、この際血が止められればなんでも…。
利き腕ではない左手で不慣れな炎を操り、傷口を焼いて出血を押さえる。
荒療治ではあるが、四の五の言っていられない。
このまま手をこまねいて死ぬよりはマシだった。
気を失わなければ良いのだが…。
「やめときな」
「っ!」
急な声に見上げると、そこにいたのは今最も姿を見られたくない男。
「ソル…」
「その深さじゃ逆効果だ。…最悪、直らなくなるぜ」
「……」
「ま、犬死したいなら止めねぇが…。テメェはそんなヤワじゃねぇだろ」
「随分な物言いですね。貴方に応急処置の知識があると?」
「死にたきゃ勝手にしな。一応忠告はしたぜ、化けて出るなよ」
そう言って、左手をひらひらさせながらソルは姿を消した。
結局何が言いたかったのか、いや、理由などきっと無い。あるとしたら単にからかいに来ただけなのだろう。
「くそ…っ」
もう一度上から破った布をきつく締め直し、歯を食いしばって立ち上がった。
脂汗が流れるほどの痛みに呻くのも堪え、カイは本隊と合流すべく歩き出した。

+++

ものすごい意地っ張り。
ソルは薄情だしキスクはものっそい意地っ張り。
こんなんが好きですみませ(´∀`)
PR
Comment
color
name
subject
mail
url
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
TrackBack
トラックバックURL  :  
カレンダー
05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
プロフィール
HN:
紺海(こんみ)
HP:
性別:
女性
自己紹介:
ごっず【遊ジャ】
ゼアル【Vカイ・ハトカイ】
GG【ソルカイ】地平線中毒
ガンダム【宇宙世紀・未来世紀・西暦】
etc…
material by bee  /  web*citron
忍者ブログ [PR]